日本橋・レンタルオフィス 2009年1月の記事
特許の国際出願件数、中国企業が初の首位
世界知的所有権機関(WIPO)が27日に発表した2008年の特許の国際出願件数(速報値)で、中国通信機器大手の華為技術が中国企業として初めて首位に立ちました。07年に日本企業で初の首位となったパナソニックが2位に転落し、1年でその座を譲り渡しました。中国は国別の件数ではまだ6位ですが、前年比11.9%増と急伸しており、「知的財産大国」に脱皮しつつあります。
華為技術は携帯電話の端末や基地局のシステムなどに強く、売上高の7割以上を海外で稼ぎ出しており、特にアジアの発展途上国でシェアを急拡大しております。日本勢ではトヨタ自動車が6位から4位にランクアップして健闘しましたが、国別の伸びは前年比3.6%増にとどまり、金融危機で景気が落ち込む先進国は各国とも不振で、特に米国は1.0%減とマイナスに転じました。
かつて日本がハングリー精神を持って知恵と技術を磨き、先進国企業を追い越して躍進してきたと同様に、いよいよ中国企業が躍進していく時代の幕開けを感じます。
中国は技術大国として、また消費大国、あるいは軍事大国として、これから益々その存在が大きくなっていく事でしょう。
産業再生法
経済産業省は、省エネルギーやCO2の排出削減につながる事業の計画を新たに適用条件に加え、税の軽減を認めるなどの産業活力再生特別措置法(産業再生法)を抜本改革する方針を固め、来年の通常国会に提出するそうです。
「企業の資源生産性向上に向けた支援」「イノベーション創造機構」「中小企業再生の支援強化」を改正の柱としており、「イノベーション創造機構」は大学やベンチャー企業に埋もれている先端技術を集約する官民の投資ファンドで、民間の人材を集めた15年の時限組織とする方向で検討されております。
消費税増税方針
政府は21日、2011年度からの消費税率引き上げを含む税制抜本改革を今国会に提出する税制改正関連法案の付則に明記した上で「施行期日等を法制上定める」と加筆する方針を固めた模様です。引き上げ時期を示さない消費税法案を来年にも国会提出し、実施日を定める提出を2011年度以降に先送りする二段階方式の余地を残す考えで、22日に自民党に文案を示すとの事です。
これにより、仮に経済状況が好転すれば、2011年度からの消費税増税を含む抜本改革に向け、2010年の国会に消費税増税の時期も定めた法案を提出できます。
今なぜ、この欧米の金融危機に端を発した世界的恐慌ともいえる明らかな景気後退がどれほど日本にも影響を与えていくかわからないこの状況で、ほんの2?3年先の将来に国民にとって負担となる将来像を示さなければならないのか理解に苦しみます。
将来の年金のあり方も示さないまま、消費税を引き上げるような事をしては安心して国民が消費に向かうとはとても考えられません。
不満だけが国民に残るだけです。
まさか、近い将来消費税が上がるので駆け込み消費を喚起するなどとは思ってないでしょうが。
雇用保険の加入条件緩和を検討
厚労省は、雇用保険の加入条件である「1年以上の雇用見込」を「6か月以上」に緩和する事に加えて、3年未満で離職した非正規労働者への給付を最大180日に増やすことを盛り込んだ雇用保険改正案を今年の通常国会へ提出することを目指す予定。
契約期間が短期の非正規労働者の対策として、遅れ馳せながら雇用の安全網を整備することが最大の目的。
農業の担い手希望者が急増
製造業を中心に人員削減が相次いでいるのを受け、農林水産業への就業希望者が増え、地方自治体や関係団体による就業相談会が盛況だそうです。求職者と仕事のマッチングが進めば、一次産業の基盤強化や将来の食料自給率の向上にも結び付く可能性があります。
農林水産業に特化した求人サイト「第一次産業ネット」は約90件の求人に対して5,000人の求職者が登録しておりますが、ここ3カ月で登録者が急増、通常110件前後掲載している求人も次々と決まっているそうです。ホームページへのアクセスも一日1,500件?3,500件と通常の200件から激増しているそうです。
水産業でも、とやま漁業担い手センター(富山)や全国森林組織連合会(東京・千代田)などの就業相談会でも相談者が前年比7割?8割増えているそうです。
雇用の安定
現在、派遣社員や非正規労働者等が問題視され、派遣法やパートタイム労働法の改正なども取り上げられておりますが、一方である程度の柔軟な雇用形態を導入できなければ、特にものづくりをする製造業では国内工場を建設するような投資はできないともいえます。
もちろん、雇用が保障されない人にはより多くの手当を支払うといったバランスも必要でしょうし、また政府が安全網を構築することも必要です。
しかし派遣社員やパート社員もすぐに辞めてしまう人も多く、企業が安定的に人材を確保することが厳しい状況の中で、派遣法やパートタイム労働法などが改正され、より厳しい状況になれば、日本で行っている業務を海外へアウトソーシングしていく会社も今後益々増えていくことにもなるかと思います。そのような事になれば、結果的に空洞化が起こり日本の雇用を守ることもできなくなる事にもなります。現に、中国では日本語のデータ入力代行業務で目が回るほど忙しい会社もあるようです。
日本から優秀な人材を駐在させ、現地の従業員を採用してサービスの質を保てれば、よほど愛国心でもない限り海外に拠点を移していく事にもなるかと思います。
ネットを活用して、開かれたホワイトハウスに
オバマ次期米政権がインターネットを活用した「開かれたホワイトハウス」を目指しているそうです。大統領選で集めた1000万人に上る支持者のメールアドレスのデータを土台に、ネットを通じた国民との直接対話の可能性も探っているとの事です。すでに、オバマ氏の政権移行チームは、当選決定後「Chane.gov」を開設し、記者会見の模様をブログやビデオで発信したり、次期政権への提案や注文、スタッフ募集の履歴書等を受け付けたりしているそうです。
大統領選でオバマ陣営は、ウェブサイトを通じてボランティアを組織したり、副大統領候補の発表も携帯メールで行うなどネットを最大限活用致しました。新政権としてもホワイトハウスのホームページを双方向型に全面改装する計画で、オバマ氏自身もブラックベリーを使ってスタッフとの情報のやり取りはほとんどメールで済ませているとの事です。また、大統領執務室にノートパソコンを持ち込むことも希望しており、実現すれば歴代大統領では初めてとなるそうです。
定額給付金
日本の存在薄く
2009年1月5日付日本経済新聞朝刊3面に掲載された、岡本アソシエイツ代表・岡本行夫氏のインタビュー記事に大いに考えさせられましたので抜粋して記載いたします。
「中国はアジアで圧倒的な経済大国になっていく。我々はその事実に心理的に対応できていない。懸念しているのは中国がアジアで責任ある行動をとり、日本が国際社会で異端視されていくことだ。これはすでに始まっている」「PKOに従事している日本人は40人しかいない。中国は2000人だ。インド洋の海賊問題では中国やマレーシアが艦隊を送っているのに、日本は何もしていない。中国の方が世界の安全に立派に責任を果たし始めている。ぜーリック元米国務副長官は『アジアの真のパートナーは中国だ』と常に言っていた。日本の存在がかすむ」
「(日本が)国連安全保障理事会の常任理事国に入りたいと言うが、各国は『国連でアフガン治安支援部隊の派遣などを決めても、あなたたちは他国を行かせるために常任理事国になりたいのですか』と冷めた目で見ている」「日本が誇れるのは誠実さと善意だ。日本の援助関係者が世界で一番しっかりしている。被援助国に上からものを言ったりしない。こうしたソフトパワーを最も必要としているのはアフガンやスーダンの紛争地ではないか」
就農機会を増やし農業を産業として育成
1980年代に入ると、関税貿易一般協定(ガット)が日本に対して農産物12品目の輸入自由化などを勧告。88年には牛肉・オレンジの輸入自由化も決定し、我が国の食料自給率は市場開放が進んだ80年代後半から落ち込みが加速し、食の変化もありますが、60年度に79%だった自給率は70年度には60%に低下し89年度には49%と5割を下回り2000年代には40%前後にまで落ち込んでいます。また、農業従事者数人口も80年代半ばに約1000万人だったのが、07年時点で半分の約500万人まで減少し、一方で65歳以上の比率はこの間3割から6割にまで上昇し、耕作放棄地が増加いたしました。
その一方で最近、「耕作放棄地の拡大はビジネス上のライバルが減り、大規模化のチャンス」と捉え、法人化により若者が農業をビジネスとして捉え、自立した産業としての可能性が着目されつつあります。
政府は創意工夫をそぐような法律や規制をやめ、更なる規制緩和を進め、自給率の向上、食の安心・安全、高品質化による輸出等、農業を産業として育成するまさにチャンスではないでしょうか。