日本橋・レンタルオフィス 2010年1月の記事
東京都、10年度予算原案と少子化対策
東京都が22日発表した2010年度予算原案は、少子化対策や雇用対策などの政策的経費を増やす積極財政となり、08年度決算比で都税収入が1兆円規模で落ち込むなど厳しい財政環境でも、借金である都債の発行や預貯金にあたる基金の取り崩しを増やして対応するとの事です。
一般会計総額は5%減の6兆2640億円、都税収入は4兆1514億円で、12%の2ケタ減となった模様で、特に企業業績の低迷で法人2税(法人事業税、法人住民税)が29%減の1兆2574億円に落ち込む事が響いているようです。
税収に連動して東京23区に配分する財政調整交付金の減少などで予算総額は減少するが、一般歳出は860億円増やすそうです。
少子化対策の目玉の一つが、児童の預かり時間を延長する学童クラブの補助制度です。学童クラブは保育所に比べ預かり時間が短い施設が多く、都は午後7時以降に預かる学童クラブの運営を補助し、約220施設を補助して、約4300人を延長時間帯に受け入れる計画だそうです。
また、パートタイムで働く親をサポートしようと、子供を短時間預かった保育施設に補助金を出す「定期利用保育事業」も始めます。
2009年4月時点の都内の待機児童数は前年度同期より2460人多い7939人で、日中の短時間保育を希望する保護者が多いにもかかわらず、保育所側が経営面を重視することなどから、フルタイム労働者が利用する長時間保育を優先しているのが実情です。都が補助金を出すことで、事業者に短時間保育の受け入れを促し、待機児童の解消を狙うとの事です。
子供手当の補助金だけではなく、働く親にとってのきめ細かい対応、教育支援が少子化対策には欠かせないですね。
借金漬け大国
日本のGDPに対する純債務比率が2010年に先進国で最悪になる見通しだそうです。
総債務残高の国際比較では、既に1999年から先進国で最悪になっておりますが、政府の総債務残高から政府が保有する年金積立金などの金融資産を差し引いた、純債務ベースでも最悪だったイタリアを上回り、GDP比率104.6%となったようです。特に過去10年間で急速に債務比率が拡大し、世界で際立って深刻な状況が浮き彫りとなっております。
民主党政権による10年度予算案の歳出規模は過去最大の92兆円に膨らんでおり、今後4年間は消費税を上げる事はなく、議論すらしないということらしいです。
日本国債の格付けが下がって、価格が暴落するという可能性もあり得るのではないでしょうか。
心配です。
日本の総理と韓国大統領
韓国の李明博大統領の支持率が、米国産牛肉輸入問題の不手際などで一時10%台まで落ち込みましたが、直近で48%まで回復したそうです。
貧しい幼少時から現代建設社長まで上りつめた企業家精神が金融危機対応で評価されているようです。
昨年末、アラブ首長国連邦の原子力発電所受注で日立・GE連合などとの戦いで、韓国企業連合が初めて原子力発電所の一貫建設で受注した事は新聞等で報道されています。大統領は11月初めに受注失敗の報告を受けてからUAEの皇太子と電話で直接交渉し、最後は自ら電撃訪問し造船・半導体など政府間の産業協力も約束して、猛烈に巻き返したとの事です。総事業費3兆6000億円。
落札額なども決め手の一つでしょうが、韓国政府の熱意に圧倒されたという事でしょう。
民間だけでなく国としての熱意も見せて初めて新興国のインフラ事業を勝ち取ることができる熾烈な戦いです。生まれ育ちの違いでしょうか。
CO?25%削減、内需拡大も大事ですが、政府はしっかりとした経済政策を打ち立てて、産業界とも連携しながら具体的な行動計画を作成し、日本経済のためにも李大統領のようにスピードをもって実行して貰いたいものです。
「10年後の東京」実行プログラム公表
東京都は15日、2016年までの長期計画「10年後の東京」を具体化させる実行プログラムを公表し、3カ年で1兆9000億円を投じ、少子化対策や耐震化などに重点的に取り組みます。
主要道路の整備や羽田空港の国際化など都市インフラ整備に加えて、保育・学童サービスの拡充や耐震化、地域のにぎわい創出策などに力を入れております。
主な新規事業では、少子化対策で、午後7時以降まで子供を預けられる学童クラブへの補助制度を創設し、保育サービスの受け入れ人数も3年間で2万2000人増やすそうです。また、災害時に重要な幹線道路沿いの建物については、耐震化工事の補助対象を広げるとの事です。
また、川沿いにオープンカフェを設置するなど、隅田川のにぎわい創出も新たに助成するとの事です。
東京都が、旧日本橋高校校舎に舞台芸術向けの練習場をオープン
東京都は2010年度、中央区の旧日本橋高校の校舎を活用して舞台芸術向けの練習場「活動支援アートセンター」をオープンし、若手の舞台芸術家が低料金で施設を使える事で、舞台芸術の活性化に一役買っていきます。
自治体が開設する舞台芸術の練習専用施設は珍しいそうで、運営は博物館や美術館を運営する都歴史文化財団に委託し、土地や建物を無償で貸し付け、補助金を交付せず運営するとの事です。
近くには明治座や操り人形の芝居小屋もあり、舞台芸術の顔も併せ持っていく街に変容していけば面白い試みではないでしょうか。
東京都、今年度までにCO?、04年度比で10%削減
東京都は09年度までに温暖化ガスを04年度比で10%減らす目標を揚げておりますが、08年度の都庁全体の活動に伴う温暖化ガス排出量がCO?換算で208万4000トンと04年度に比べ8.4%減ったとの調査報告をまとめ、目標達成まであと一歩のようです。
都庁が取くり扱う事務の他、都営交通、病院。学校などを含めた温暖化ガスの排出量をまとめたとの事です。
08年度には都立高校への太陽光発電設備の設置や、都立墨東病院(東京・墨田)への省エネ支援サービスの導入、都庁本庁舎(新宿)内の空調設備の更新などが削減効果を上げたようですが、交通局が運営する日暮里・舎人ライナーの08年3月の開業や、北海道・洞爺湖サミット開催に伴う警備体制強化で警視庁の車の燃料使用が増えた事もあって、前年度比では微減となったようです。
世界2位の借金大国
CIAが世界126カ国・地域を対象に、債務残高のGDPに対する比率を調査したところ、日本は172.1%(2008年概算値)とジンバブエに次いで高いとの事です。
G7では、イタリアが5位ですが、それでも比率は105.8%、最大の経済大国の米国は37.5%で61位です。日本のGDPに対する債務比率は突出しており、財政が悪化というより規律なく増やし続けている状態です。
更に税収の落ち込みから10年度予算案では、44兆円の国債発行も予定されております。内需主導の経済政策をうっても、将来の不安があれば消費は控えられるでしょう。
新政権には、世界経済、とりわけ新興国の経済成長を企業が取り込んでいけるような政策と将来のための財政健全化の一歩を期待したいところです。