農林水産省が農地の賃貸・売買仲介
農林水産省は民間法人の全国農業会議所を通じてインターネットを使った農地の賃貸や売買の仲介に乗り出します。住宅物件のように、所在地や面積、価格といった基本情報を公開するシステムを構築し、農家や就農希望者などがネット上の情報を基に耕作地を手当てしやすいようにします。農地借用を原則自由化し、株式会社などの参入を後押しする考えで、田畑の減少に歯止めをかけると同時に、農地を集約して農業の大規模化を促す橋渡し役も狙っております。
全国農業会議所が立ち上げた仲介情報サイト「農地情報提供システム」はすでにネット上で閲覧でき、売買・賃貸の募集情報の公開を試行的に始めており、今後、登録件数を増やして4月から本格的に稼働いたします。システムは誰でも活用できるが、基本的には既存の農家が耕作する田畑の面積拡大や、新規参入を目指す人の取引が仲介の対象となります。農水省の委託事業のため、仲介料などは不要で、新規参入者には、担当者が賃貸や売買の手続きについて助言したり現地の見学に立ち会ったり致します。
所有から利用への転換で、株式会社や農業協同組合による借用も原則自由にし、利用を促す考えです。経済情勢の悪化で、就農希望者が増え、農業は新たな雇用の受け皿と期待する声があり、輸出産業としても、見直されております。
次世代資源「メタンハイドレート」400メートル水底から連続回収に成功
次世代エネルギー資源として期待されるメタンハイドレートは、メタンガスが高圧・低温の海底下や凍土の下にシャーベット状に固まったもので、日本近海だけでも国内で年間に消費する天然ガスの90年分が存在するとされているそうです。
清水建設や北海道大学などがロシアの研究機関と共同で、メタンハイドレートを水底から連続回収する実験に世界で初めて成功いたしました。政府は今後約10年でメタンハイドレートの商業生産開始を目指しており、新たに国家プロジェクトを始動し、清水建設も参加しているそうです。
中国を始めとして各国が資源を巡っては国家戦略を展開して、しのぎを削っておりますが、資源のない我が国も、資源国家に変貌する事が期待できる明るいニュースです。
図書館が起業相談や農業支援など情報拠点に
図書館が本を貸し出すだけでなく、起業を支援し農協と連携しして農業経営を手助けする公共図書館まで現れてきました。栃木県小山市の市立中央図書館は、家庭菜園のレベルから新規就農を目指す人やプロの農家に至るまで相談に乗る「農業なんでも相談室」を開いております。小山市は東京に通勤する人も多いが、定年を迎え始めた団塊世代の中に農業への関心が強い人が分かり、07年度から農業支援を始めました。同館は05年度から連続セミナーを開くなどビジネス支援に取り組んできており起業にこぎつけた市民も既に4人いるそうです。
図書館の重要な機能の一つに相談窓口がありますが、情報探しの手助けという役割は必ずしも認識されてこなかったようですが、農業支援やビジネス支援は図書館本来のあり方を見つめなおす発想から生まれたようです。個人では負担が大きい商用データベースを気軽に利用出来るようにしたり、行政資料や地域資料、チラシなど流通ルートに乗りにくい資料を収集・保存するなど図書館が取り組む課題は少なくないようです。
図書館と公文書館の機能を併せ持つ奈良県立図書情報館や福岡市総合図書館、新潟県十日町市の十日町情報館などは既に実施しているそうですし、図書館と公文書館に博物館機能まで加えた栃木県芳賀町の総合情報館のような施設や地域情報を住民に発信し続ける滋賀県の愛荘町立図書館などの存在もあるそうです。
インドの20ドルPC
日本でも発売から1年で市場の4分の1を占めたといわれる5万円小型PCで、先行する台湾企業をNECやデルなど日米勢が追随しておりますが、インドではそれを遥に上回る20ドル(約2千円)という衝撃的な価格でPCが今年の秋に登場するそうです。
インドの政府機関が音頭をとり、特に人口の3割に達する貧困層で多くを占める若者や子供をネットでつなぐ事によって教育や就労機会を増やし「経済成長を持続させる」壮大なプロジェクトだそうです。基本ソフトは1世代前のウィンドウズを使用し、半導体はインテルの安い専用品を使うそうですが、まさに価格破壊により情報格差を払拭できるイノベーションです。
これまでの米国の旺盛な消費に支えられた景気の潮目が変わり、新興国の消費を期待すべき今後は、日本の高性能で多機能であるけれど高コストによる高価格のビジネスモデルも転換点を迎えたようです。
YKKの第2ブランドとしてのARCや小粒ですがホンダのハイブリッドカー・インサイトなど、その予兆でしょうか。
エルピーダ、台湾3社と統合へ
半導体大手のエルピーダメモリは台湾半導体メーカーー3社と経営統合することで大筋合意したとの事です。半導体市況の悪化で各社の業績は急速に悪化しており、規模の拡大で生き残りを目指します。統合で生まれる新会社は台湾当局から金融支援を得て財務基盤を強化し、エルピーダも新制度による日本の公的資金の活用を検討しており、半導体産業の競争力強化に向け日台が公的資金を投入する異例の展開になっております。
日本の製造業全体に強烈な逆風が吹いている中で、人員削減や工場閉鎖などの守りのリストラも重要ですが、三洋電機を買収して太陽電池事業を強化するパナソニックや未曾有の半導体不況での供給過剰の中で、千載一遇の公的資金を活用して更に競争力を強化する為に経営統合するエルピーダなど、挑戦的な日本企業のリストラに期待したいところです。
ネット各社選挙にらむ
米国ではオバマ大統領が選挙期間中、動画共有サイト「ユーチューブ」への演説配信や支持者へのメール送付などで人気を集めましたが、日本でも衆院解散・総選挙などをにらみ、インターネット関連企業が選挙対策サービスを打ち出しています。ヤフーは同社のサイト上で選挙管理委員会が投票の呼びかけをできるようにしたり、サイバーエージェントは政党や候補予定者に、自社のネット動画共有サイトの番組への出演を働きかけています。
サイバーエージェントのネット共有サイト「アメーバビジョン」は、元旦に小沢一郎民主党代表が出演して話題を集めましたが、公職選挙法の規制では選挙期間中に入ると候補者などはネットでの政治活動はできなくなるため、同社などは公示・告示前のサービス利用を促しているそうです。広告料、利用料金は100万円?数100万円の見込み。
企業の信用リスクが2ヶ月ぶり最高値
これまでグローバルに展開する優良企業、特に製造業の業績悪化が著しいようです。
企業の信用リスクを取引する市場で2月2日、リスクの大きさを示す指標が2ヶ月振りに最高値を更新しました。リスクの大きさを示す指標として、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が注目されています。信用市場では企業が倒産などに陥った場合に備え、金融機関は第三者に保証料を払い、損失を補填してもらう契約を結んでえいるのが通例だそうです。その保証料自体を売買するのがCDSという金融派生商品です。そのCDS価格が、製造業を中心に軒並み業績を悪化させている中、高騰しています。
2月3日付の日経新聞によると、そんな状況の中、信越化学工業の強さが話題になっているそうです。塩化ビニール樹脂と電子材料が経営の二本柱で海外売上比率も63%と高いのに大幅黒字となっております。「世界の塩ビ市場を知り尽くしていることと、徹底的に低コストで生産するノウハウ。加えて事業環境の変化に対して経営者が敏感で早いのだろう」総合するとこんな分析です。
企業の真価が問われる時代になってきました。逆に市場を読み違えているのではないかと感じさせる企業は株式市場での評価も低いようです。ある独立アナリストによりますと「ハイブリット車をモデルチャンジして値上げするトヨタ自動車の発想は供給者の論理ではないか」「ソニー製だからだと言って10万円近い小型ノートパソコンを買う時代ではない」と手厳しい。
優れた技術と高コスト体質だけの画一的な日本型製造業のビジネスモデルを転換すべき時期になってきたのでしょうか。